世界的なインフレが日々ニュースになっています。シンガポールも例外ではありません。
少し前のデータですが、インフレの指標となる12月の消費者物価指数は、前年同月比で4%。約9ヶ月ぶりの高水準です。
コアインフレ率は2.1%と、こちらも2014年以来の高水準となりました。
一方、日本の消費者物価指数は0.5%。最も上昇しているのは米国で、なんと7%です。
コアインフレ率…総合インフレ率から相対的に価格変動が大きい食品価格とエネルギー価格を除外したインフレ率のこと。
以下はあくまで生活している中で個人的に感じた内容です。
【シンガポール】インフレに伴う変化
日々の生活
正直なところ、シンガポールで生活をしていて物価の上昇はあまり感じられません。
- 食品
食品の価格はもともと日本と比べると基本的にお高いので、値段を気にしてられないというのが一つ。価格を見て悩み始めたら、何も買えなくなってしまいます…。
- エネルギー価格
また、エネルギー価格も上昇しているのですが、月の光熱費はあまり使用量に関係なくバラツキが激しいので、あまり参考になりません。
- 家賃
また、急上昇しているのは住居の家賃。こちらはよくニュースでも取り上げられています。コロナで建設工事の遅れも加わり、すでに10~15%以上の値上がりが見られた物件もあるそうで。
会社で家賃負担をしてもらっているので、直接家計へのダメージはありませんが、自分で払うとなると深刻な問題です。
もともとシンガポールのコンドミニアムの家賃は高く、家族暮らしであれば40万円/月以上のところが多いので、この値上がりは痛すぎます。
シンガポールドル高
政策金利を変更する代わりに、自国通貨の名目実効為替レートの誘導目標を定める金融政策を採用している。今回も21年10月と同様に、シンガポールドル高に誘導することで引き締めの効果を持たせる。
と報道されており、ここ最近のシンガポールドル高の背景は、こういうことだったのかと納得。
以前、シンガポールドル高い、円が安いという嘆きを書きました…。投資のため日本の口座から送金する際、円安すぎて換金するかどうしようか、と迷っていました。
円安だっただけでなく、シンガポール側としてもドル高になるようにしていたとは。
これは数ヶ月では解消しなさそうな問題なので、必要な分は割り切って換金しようと思います。
名目実効為替レート…指数化した為替レートを貿易相手国との取引量で加重平均し、「ある通貨の対外的な競争力」を表す指標。
【シンガポール】就労ビザの最低賃金引き上げ
インフレにより賃金も上がるという話も聞きますよね。
駐在員(就労ビザ保有者)に限った話ですが、2022年9月から、月額給与の最低賃金が引き上げられることになりました。
現行はS$4500(≒38万円)から、S$5000(≒42万円)へ。
就労ビザを申請するときも、シンガポール人の就職を優先するために、シンガポールの官営の求人広告の掲載が義務付けられています。一定期間が過ぎても該当者がいないと判断された場合のみ(もちろん優秀なシンガポール人が多数応募はしてくる)、他国から駐在員として就労ビザを獲得することができるという仕組み。
これらの話を聞いていると、シンガポールで駐在員を持つ会社の負担が、いかに大きいか分かります。
それに加え、給与の引き上げと、家賃の値上がり。
だんだん撤退する企業も増えてくるのでは…。
なんだか日本の感覚からすると、別次元の話だなぁと感じてしまいます。
【シンガポール】増税
2023年1月に増税が決定しました。
現在の消費税(GST)は7%。これを2023年1月に8%、2024年1月に9%まで引き上げ。
高齢化に伴う財源の確保、インフラ整備や教育サービス拡充といったことに充てられるとのこと。
決定事項なので何もできませんが、せめて大きな出費は今年中にしておこうと思います。
【日本】世界のインフレの影響
一方日本は、12月の企業物価指数が前年同月比8.5%。消費者物価指数は0.5%です。
日本企業、商品への値上げを反映しなさすぎでは?
もちろん日本に住んでいたときは、デフレで何でも安く買えて嬉しい、価格競争をもっとしてくれたら安く買える、と思っていました。
でもこの状況を見たら、なんで値上げしないの?このままでは会社が潰れてしまうのでは?と心配になります。(そんな素朴な疑問で片付けられる話ではないのは重々承知しているのですが)
結果、従業員の給与は上がらず(税金は増えている)、値上げ・増税には反対…という悪循環。
結局、日本以外の国のインフレの影響を受けることになるので、生活が苦しくなるのは時間の問題とも言えます。
などと、思っていることと調べた内容をつらつらと書いてみました。
1年前はお金の話にも経済の話にも興味がなく、ただ毎月給料をもらって、身の丈にあった生活をして、これがずっと続くんだと思っていました。
最近お金のことに関心を持つようになり、今まで知らなかったことが見えてくるように。
一個人で出来ることは自分の身を守る資産形成くらいしかありませんが、今後も世界の経済に関心を持ち続けたいと思います。